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【健康カフェ】(140)禁煙 体重増加でも健康メリット大

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 高血圧で通院する60代男性に禁煙を勧めると、「体重が増えると嫌だからやめない」と言います。以前、禁煙したときに体重が5キロも増えてしまい、喫煙を再開したそうです。

 たばこによる損失は年間2兆円超とされ、その半分以上が医療費です。喫煙者は非喫煙者より寿命が短く、たばこの煙による受動喫煙も深刻な問題です。喫煙者もこうしたことは知っているはずですが、禁煙をためらう人は少なくありません。その理由の一つに、禁煙で体重が増えることへの心配があります。

 禁煙で体重が増える人が多いのは事実です。この体重増加が、禁煙による健康へのメリット以上にデメリットになるかどうかを調べた研究結果が8月に発表されました。調査は米国の約16万人を対象に、禁煙した人としなかった人の体重変化や糖尿病の発症率、死亡率などを30年にわたり経過観察したものです。

 結果は、禁煙開始から2~6年の糖尿病の発症率は、喫煙し続けた人に比べて22%増加していました。糖尿病のなりやすさは体重増加に大きく関係しており、体重が10キロ増えた人では発症率が59%も増加していました。これだけをみると、禁煙した方が健康によくないことになります。

 ただ、禁煙開始から6年を過ぎると糖尿病の発症率は徐々に低下し、15年を過ぎると喫煙者を下回っていました。喫煙者は喫煙経験のない非喫煙者より糖尿病になりやすいのですが、禁煙して30年もたつと糖尿病の発症率は非喫煙者と同等になっていました。一方、全死亡率や心血管病による死亡率は体重増加と関係なく禁煙直後から低下し、体重が10キロ以上増えた人でも大きく低下していました。

 この結果から、禁煙で体重が増え糖尿病になるとしても、禁煙で得られるメリットを打ち消すほどではないといえます。とはいえ、健康のために、禁煙後もできるだけ体重を増やさないようにしたいものです。この研究で、禁煙後に体重が増えなかった人たちは、運動量が多く、野菜や良質のタンパク質などをよく食べる傾向にありました。

 冒頭の男性には、禁煙で体重が増えたとしても、禁煙する価値は十分にあることを伝えました。男性は「それならもう一度禁煙してみようかな」と話していました。(しもじま内科クリニック院長 下島和弥)

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