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【聞きたい。】松原始さん 『カラス屋、カラスを食べる』 非日常の“研究者あるある”

「カラス屋、カラスを食べる」著者の東京大学准教授・松原始さん
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 日本で5人ほどしかいない「カラス屋」こと、カラスの研究者。東京・丸の内の「JPタワー学術文化総合ミュージアムインターメディアテク」を拠点に研究をしているが、学生や大学院生のころ、カラスはもちろんオオミズナギドリ、チドリ、ウミガメ、ニホンザルなどの研究を手伝い、離島や山奥へでかけ、思わず笑ってしまう“研究者あるある”を経験した。

 「研究者にとっては日常ですが、そうでない人にとっては非日常。そんなところに飛び込んだら、こんな面白いことがあるんです、という話を集めました」

 行き先は日本国内が中心だから「大冒険」ではなく、ちょっと日常からはみ出した、ヌルい「大ぼうけん」。怖い思いをしたのは、東京・新宿でのカラスの生態調査だった。

 「野生動物は人間がいるとよけてくれますが、人間だけは人間がいるとわかれば襲ってくるので。人間が一番怖いですね」

 タイトル通り、調査中に手に入れたカラスの死骸を解剖したあと食べた“食レポ”も。研究者は、研究対象の生き物を食べてみたくなるものなのだろうか。

 「昔の研究は解剖して標本を作ることが多かったので、死骸を手にすることも多い。それでついでに食っちゃうか、ということがちょいちょいありました」

 ちなみにカラス肉は「モツ系のねっとりとしたにおい、かんでもかんでも血の味」がしたそうだ。

 知ってほしかったのは身近なところに、すごい生き物が居るということ。

 「日本近海の離島で繁殖するオオミズナギドリは、繁殖地を飛び立つとフィリピンやニューギニアまで行って日本に帰ってくる。ウミガメは、遠い世界の生き物と思われているけれど、砂浜さえあればどこにでも上がってくる。海のそばに住んでいれば、家の前にも1頭や2頭、上がってきているかもしれませんよ」(幻冬舎新書・820円+税)

 栫井千春

                  

【プロフィル】松原始

 まつばら・はじめ 昭和44年、奈良県生まれ。京都大学理学部卒。東京大学総合研究博物館特任准教授。専門は動物行動学。主な著書に「カラスの教科書」(講談社文庫)。

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