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【浪速風】木彫りの熊に魂を吹き込んだアイヌ彫刻家(10月30日)

国土交通省「こども霞が関見学デー」。特設ステージ「feel・カムイ2018」では、アイヌ文化の魅力を知ってもらおうと、伝統舞踊も披露された =8月1日、東京・霞が関の国交省中央合同庁舎
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 以前、北海道・阿寒湖畔のホテルに宿泊して、ロビーに飾られていた木彫りの熊に目を見張った。川を遡(さかのぼ)る鮭を捕まえようと身構えた姿で、表情と筋肉の緊張はまるで生きているようだ。ほかにもアイヌの男性像やトーテムポールが展示してあった。藤戸竹喜(ふじと・たけき)さんの作品である。

 ▼木彫りの熊は北海道みやげの代表だった。大正時代に尾張徳川家19代当主の徳川義親(よしちか)がスイス旅行で民芸品を購入し、八雲町に入植した旧尾張藩士に冬の収入源として勧めたのが始まりという。一方、アイヌ民族にはマキリと呼ばれる小刀を使った伝統的な彫刻があった。藤戸さんは父親に習って、12歳からこの道に入った。

 ▼アイヌはさまざまな動物をカムイ(神の化身)として崇(あが)めるが、なかでも熊は特別な存在である。84歳で亡くなった藤戸さんは生涯「熊彫り職人」と称した。デッサンなしで刻んだその作品は、自然を畏敬するアイヌの精神と文化を木から彫り出したように見える。

▼そのほかの【浪速風】を読む(こちらをクリック)

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