PR

ライフ ライフ

「真実の口」に手を入れると…消毒 インフル予防 阪大病院

大阪大病院に設置された「真実の口」に手を入れ消毒する来院者=30日午前、大阪府吹田市
Messenger

 インフルエンザシーズンの到来に先駆け、大阪大医学部付属病院(大阪府吹田市)にユニークな消毒器が登場した。ローマの観光名所「真実の口」を模し、口の中に手を入れると消毒液が自動的に噴射される仕組み。思わず手を入れたくなる人間の好奇心を利用し、本来は「何の面白みもない」(阪大病院)はずの手指の消毒を、驚きや楽しさを交えて普及させるねらいだ。

 30日午前、阪大病院1階のロビーに設置された真実の口。高さ約2メートル、幅約1メートル、発泡スチロールで作られている。手を入れた吹田市の主婦、松尾マユミさん(69)は「初めは何だろうと思ったが、こんな仕組みになっていたとは」と驚いた。

 阪大病院ではピーク時、1日に推計約40人のインフルエンザ患者が病院を訪れる。院内には免疫が低下した患者が多数おり、ウイルスの持ち込み防止は医療現場にとって重要な課題だ。阪大病院では複数の場所にポンプ式の消毒剤を設置し消毒を呼びかけていたが、利用したのは来訪者の1%に満たなかったという。

 そこで阪大大学院経済学研究科の松村真宏教授と、手指消毒の普及に向けた新たなキャンペーンに取り組んだ。松村教授は、人がつい行動したくなる現象や効果を検証する「仕掛学(しかけがく)」の第一人者。これまでもバスケットゴール付きゴミ箱を学内に置いて利用頻度を検証するなど、仕掛けに関する数々の実験に携わっている。

 ローマにある真実の口は、偽りの心がある人が手を入れると、抜けなくなったりかまれたりするとの伝説がある。「知名度のある真実の口を見れば、『口に手を入れる』という行為を想起する人が多いはず」(松村教授)。

 見た人の好奇心を喚起させる一方で、意図せずに手指の消毒という重要な対策も果たせるとのねらいがある。松村教授は「強制するのではなく、自主的にその行動を選ぶようにいざなうことが重要だ」と訴えた。

 11月中旬まで設置予定。期間中の利用状況なども検証する。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ