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安価で有効な治療効果に注目 「プラセボ効果」現象

薬の錠剤そっくりに作られた「プラセプラス」。介護現場で活用されている(プラセボ製薬提供)
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 「プラセボ(偽薬)」。見た目は薬だが、有効成分が入っていない。ところが、これを服用することで何らかの改善がみられることがある。「プラセボ効果」と呼ばれる現象だ。近年、その効果が改めて注目されており、日本や米国で科学的な検証や活用の道を探る動きが出ている。

服用で「安心」

 「便秘で困っているので薬を下さい」

 和歌山県岩出市の有料老人ホーム「エンゼルパーク」では、こう言って1日に何度も薬をもらいにくる認知症の患者がいる。「じゃあ、1錠ね」と、看護師の礒崎亜希さんが渡すのは薬にそっくりのプラセボだ。これは、プラセボ製薬(大津市)の「プラセプラス」という直径8ミリの錠剤で、見た目は薬だが、還元麦芽糖が原料の加工食品だ。

 礒崎さんは「患者さんは実際は便秘ではないので本物の下剤は渡せない。でも、薬を渡さないと、怒り出して大変なことになる。プラセボなら体への影響もほとんどないので安心して渡せるし、患者さんにも満足してもらえ、助かっている」と話す。

 プラセボ製薬は、大手製薬会社の研究員だった水口直樹さん(32)が平成26年に設立。介護の現場で、大量の医薬品を服用する「過剰服薬」や、服用したことを忘れて何度も薬を飲みたがる「処方薬依存」が問題となっていることを知り、「プラセボを使えばいいのでは」と考え、会社を辞めて事業化した。

 「高齢者の過剰服薬や処方薬依存は、薬効成分を依存的に求めているからというより、『薬を服用する』という行為で安心したい場合が多い。薬効成分が入っていないニセの薬なら、患者さんの体に悪さをすることもなく、介護する側も安心して使えると思った」と水口さんは話す。

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