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【モンテーニュとの対話 「随想録」を読みながら】(36)「愛国スーツ」にご用心

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 「父母を敬い、兄弟は仲良くし、夫婦は喧嘩(けんか)しないこと。そして、友だちは信じ合い、何をするにも慎み深く、博愛精神を持ち、勉強し、仕事のやり方を習い、そのことによって智能をさらに上の段階に押し上げ、徳と才能をさらに立派なものにし、なにより、公共の利益と社会の為(ため)になることを第一に考えるような人間にならなくちゃなりません。もちろんのことだけれど、ぼくが制定した憲法を大切にして、法律をやぶるようなことは絶対しちゃいけません。よろしいですか。さて、その上で、いったん何かが起こったら、いや、はっきりいうと、戦争が起こったりしたら、勇気を持ち、公のために奉仕してください」

 反戦思想に凝り固まったリベラルな人々は「一旦緩急あれば」以降に強い抵抗感を示すだろうが、私などは、人として、社会の一員として、国民として守るべきことが端的に書かれていると感じる。

 問題はこの直後に置かれた《以(もっ)て天壤無窮(てんじょうむきゅう)の皇運(こううん)を扶翼(ふよく)すべし》だ。字面のみを追えば、そこまで述べてきた徳目をしっかり守ることによって、「永遠に続く皇室の隆盛を援助してほしい」というのである。

 皇室を宗家とし、権威と権力を分離したわが国の国体は、日本人のすばらしい知恵の結晶であり、これからも守り続けるべきだと考える私などは、「皇室の隆盛」=「国民の隆盛」と理解するが、そう理解しない人々にとって、教育勅語は受けいれがたいはずだ。皇室と国民は一体であるということを、歴史を踏まえて丁寧に説明しないかぎり、教育勅語は「普遍性を持っている部分もある」と主張しても、リベラル層の反発を買うだけだろう。

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