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【モンテーニュとの対話 「随想録」を読みながら】(36)「愛国スーツ」にご用心

記者会見に臨む柴山昌彦文科相(佐藤徳昭撮影)
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お約束通りの三文芝居

 以前にも紹介したコレージュ・ド・フランス(仏の国立特別高等教育機関)教授であるアントワーヌ・コンパニョンが『寝るまえ5分のモンテーニュ』(白水社)のまえがきに記した言葉を再掲する。

 《モンテーニュの文章をぶつ切りにして、その断片を利用しようとする者は、即座に嘲笑の的となり、「能なし」扱いされた》

 「ク・セ・ジュ」(われ何をか知る?)という言葉に代表される反語を多用した複雑で矛盾に満ちた『随想録』のテキストの一部を切り出す行為は危険極まりない。自分の欲している言葉を『随想録』の中に見いだして切り出している私は、ときに大きな間違いを犯しているかもしれない。牽強付会とならぬよう注意したい。

 さて、最近の話題である。柴山昌彦文部科学相が2日の就任会見で、記者から「過去の文科相は教育勅語の中身を肯定するような発言をしているが、どう考えるか」と質問され、「現代風に解釈したり、アレンジした形で、道徳などに使える分野もあるという意味で、普遍性を持っている部分もある」と答えた。

 「待ってました」とばかりに、立憲民主党の辻元清美国対委員長が「認識違いも甚だしい」としたり顔で切って捨て、国民民主党の玉木雄一郎代表も「教育をつかさどる大臣の発言として軽率だ」ときまじめな顔で批判した。共産党の宮本岳志衆院議員にいたっては、自身のフェイスブックに「またバカが文部科学大臣になった。教育勅語を研究もせずに教育勅語を語るな!」と書き込んだ。

 踏み絵のような質問をする記者と野党議員の連係プレーがまたもや繰り返されたわけだ。お約束通りの三文芝居を見せられているようでいささかげんなりした。

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