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【虫撮り人】台風一過、復興の達人 クモの生息数全国最多の東京

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 新海さんが観察用の噴霧器で水を吹きかけると、ジョロウグモの網の三重構造が見やすくなった。中央に鎮座する大きな個体が雌で、上方に控える小さいのが雄。隅の方で小さな銀色の粒が動いている。

 「シロカネイソウロウグモです。自分で網をつくらず、ほかのクモの網に侵入して小昆虫などを食べるちゃっかり者ですよ」

 よく見ると、メタリックなヘルメットを被ったみたいな姿に愛嬌(あいきょう)がある。

 新海さんは中学時代、生物教師の勧めでクモの研究を始めたという。「いろんな種類の網があることに気づいて調べだした。チョウの研究者はたくさんいても、クモ学をやる人は少ないから、未解明の領域がたくさん残されていた」

 高校時代からクモ学者の会合の末席に座るほどの熱心さで、新種の網型を次々発見し、イセキグモ類の投げ縄式捕虫行動を発見するなど功績は数え切れない。家業の写真館経営を継ぐかたわら、環境指標としてのクモの分布調査で全国を旅し、撮影してきた。

 東京はクモのメッカなのだという。「日本のクモ全1650種のうち、東京で全国最多の613種が確認されています。調査する人が多いこともありますが、ここは南と北の異なる生態系が交わるエリアでもあるからだと思います」

 後日、新海さんの写真ギャラリーを訪ねると、白い壁に1匹の小さなクモがいた。

 「ハエ捕り用に放し飼いにしてるんです。かわいいやつでしょ」と笑った。(石塚健司)

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