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【都民の消防官(4)】手製の地図、迷いなく現場へ 滝野川署消防士長の本田隆広さん(60)

消防車に乗り込み周囲の確認をする滝野川署消防士長の本田隆広さん=9月26日、東京都北区(上田直輝撮影)
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 通報された住所と火災現場が1区画ずれていると分かったのは、到着直前だった。牛込署勤務時代の平成19年3月、新宿区西早稲田。使用するつもりだった消火栓は、火災現場に近すぎて危険だ。ハンドルを握る手に力が入る。

 「パニックになってはいけない」。言い聞かせて頭をフル回転させた。現場付近には日頃から何度も足を運び、消火栓の場所や道路状況を調査してきた。「あっちなら…」と別の消火栓に思い至り、トラブルなく消火活動につなげた。

 消防車両を運転する「機関員」に従事して30年超。調査に膨大な時間と労力をかけてきた。車は曲がれるだろうか。夜は消火栓が見えづらくないだろうか。何が起きても迅速な判断ができるように、管轄する地域を徒歩や自転車で地道に回った。

 「隊員に安心して活動に全力を尽くしてもらうには、機関員に迷いがあってはいけない」。その脳裏には、新人時代に憧れた先輩消防官の姿がある。

 繁華街で火災が発生し、先輩が機関員として運転する消防車に乗り込んだ。複雑な道を最短ルートで走り抜けて現場に到着すると、指定された消火栓は消火活動に最適な位置にあった。激しい火災現場だったが、迷いのない先輩の姿に安心感を覚えた。「自分もこうなりたい」。機関員を志すようになった。

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