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「明治日本が見た世界」展 壁画で紐解く近代開国史 東京・聖徳記念絵画館

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 たとえば、日本画家の山口蓬春(ほうしゅん)が手がけた「岩倉大使欧米派遣」。明治4年11月、不平等条約改正の交渉のため、特命全権大使の岩倉具視(ともみ)らが横浜港埠頭(ふとう)から艀(はしけ)で米国行きの汽船に乗り込む場面を題材にしているが、画面右手下方の小さな船の上には和装の少女たちが描かれている。日本初の女子留学生として岩倉使節団とともに米国に渡った山川(のち大山)捨松(すてまつ)、津田梅子ら5人だ。

 絵の制作資料によると、山口は正確な描写のために当時の横浜港の細部や人物の衣装などを徹底的に調査し、梅子がこのとき実際に着用していた赤の振り袖を遺族から借り受け、自分のめいに着せてスケッチまでしたという。また捨松が米国での親友、アリス・ベーコンに贈った写真立ても展示。後に華族女学校の教師として招聘(しょうへい)されたアリスらお雇い外国人が、鉄道や製糸などの産業をはじめ、教育や法整備などさまざまな分野で日本の近代化を助けたこともパネルで紹介されている。

 ほか、ほとんどがフランス留学経験者だった絵画館の洋画家同士の人的交流を示す資料や、産経新聞に掲載された司馬遼太郎さんの小説『坂の上の雲』の主要人物でそれぞれ陸海軍軍人として仏米に留学した秋山好古(よしふる)・真之(さねゆき)兄弟の遺品なども展示されている。

 担当した明治神宮国際神道文化研究所の今泉宜子主任研究員は「幕末明治の人々は、現代のわれわれの想像以上に世界とダイナミックに交わっており、それが日本の近代化につながっていた。絵と一緒に人物の資料を見ることで、立体的に感じていただければ」と話している。

                   

 11月11日まで(会期中無休)。施設維持協力金500円。期間中、講演会などが開催される。問い合わせは同絵画館(電)03・3401・5179。

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