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【ノーベル賞】本庶さん基金創設 背景に基礎研究への危機感

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 自然科学の基となる基礎研究は、成果を短期間で実用化に結びつけにくく、研究費の獲得が難しくなってきているというのがその理由だ。

 国から配分され、国立大学が自由に使える「運営費交付金」は平成16年度の1兆2415億円をピークに右肩下がりとなり、25年度には1兆792億円と約1600億円減少。16年度に1830億円だった科研費は30年度に2286億円と微増しているが、助成を受けられるのは応募者の3割以下。ほかの研究テーマと競争して獲得する「競争的研究資金」の色合いが顕著で長期的な展望より目先の結果を求める傾向が強まっており、ある研究者は「研究がどれも小粒になり、若手が基礎研究分野に進まなくなる」と懸念する。

 実際、世界的にも日本の学術論文の発表数は減少傾向にある。2004~06年に約6万8千本あった自然科学系の論文数は、14~16年には約6万3千本に減り世界2位から4位に転落。主要国の中で論文数が減少したのは日本だけで、大学での基礎研究態勢の立て直しが課題となっている。

 ノーベル賞の日本人受賞者は異口同音に同様の危機感を表明してきた。2016年に医学・生理学賞を受賞した大隅良典・東京工業大栄誉教授も基礎研究の重要性を強調し、東工大が設立した基金に1億円を寄付。さらには基礎科学研究を支援する財団も創設している。

 本庶さんの受賞決定後、同賞の候補者の一人とされる京大の森和俊教授も、警鐘を鳴らし続ける本庶さんの姿勢に共鳴。「最初は偶然の発見かもしれないが、基礎研究の積み重ねで、がん患者が救われる現実が起こってくる。そういうことをぜひ、わかってほしい」と訴えた。

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