PR

ライフ ライフ

【編集者のおすすめ】「愛されない覚悟」の指導者論『マーガレット・サッチャー 政治を変えた「鉄の女」』

『マーガレット・サッチャー 政治を変えた「鉄の女」』
Messenger

 先月行われた総裁選で、安倍晋三首相が下馬評通りあっさり3選を決めました。来年11月には首相在任期間が桂太郎(2886日)を抜いて歴代最長になるといいます。

 一方、本書の主人公サッチャーは、今から39年前に英国初の女性首相となりました。彼女は勝てるはずがない党首選に「偶然」勝利すると、戦後最長の11年間にわたる長期政権を築きます。しかし、権力の絶頂で迎えた党首選でまさかの敗北を喫し、劇的な形で表舞台から退場します。

 なぜそのようなことが起きたのでしょうか。著者は、彼女がフォークランド戦争や労働組合との死闘を通じて強い指導力を確立していく過程と、その意外な弱点を、「職業的分析力」を生かして鮮やかに読み解いていきます。

 じつは著者は、現役のトップ外交官。外務省で北米局長、イスラエル大使を歴任し、現在は来年大阪で開催されるG20サミット担当大使という要職にあります。一方で文筆家としても活躍し、前著『危機の指導者 チャーチル』(新潮選書)は某論壇賞の最終候補に選ばれるなど、その筆力には定評があります。

 著者はサッチャーの強いリーダーシップの源泉として、巧みなメディア戦略、官邸主導の大統領型政治、ターゲットを絞った選挙戦術の3つを挙げます。その上で、リーダーはときに「愛されない覚悟」を持って課題を実現していくことが重要だと言います。

 日本でなぜ「安倍一強」が続くのか。なぜ突然失脚する権力者が後を絶たないのか。いま必読の指導者論です。(新潮社出版部 三辺直太)

 (冨田浩司著/新潮選書・1400円+税)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ