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【話の肖像画】数学者・大道芸人 ピーター・フランクル(5) 日本人には知的消費を重視するような生き方をしてほしい

ピーター・フランクルさん
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 〈初来日は昭和57年、東京大学の招きだった〉

 仕事を一生懸命にする日本人の姿を見て、私と同じ考え方の人が住む国に到着した気持ちになりました。人をだまそうとしない姿勢にも、感銘を受けました。

 滞在中に沖縄旅行に行ったとき、自分の小さな荷物を空港の片隅に置いて半日観光をしました。夕方、僕の荷物はそのままで、誰も盗みません。最近は、爆弾かと大騒ぎになりそうですが(笑)。

 日本人の宗教観も素晴らしい。困ったときの神頼みと、試験前に神社へ合格祈願に出かけたり、良縁を願って出雲大社へ詣でる-。クリスマスにケーキを食べ、大みそかに除夜の鐘を聞き、正月に無病息災、家内安全などを神社仏閣でお願いすることが一つの行事になっている。神道を大切にしながら、人が亡くなるとほとんどが寺から戒名を受ける。一つの宗教に縛られません。

 ユダヤ系ハンガリー人だった祖父母はナチス・ドイツによって強制収容所で殺されました。戦後も宗教対立が絶えません。日本の宗教への寛容さは日本を親しみやすい国にしています。

 〈初来日から36年がたとうとしている〉

 来日して初めて、人と一緒に仕事をすることを楽しく感じました。日本人はけんかを避けて和を重んじます。江戸のけんか両成敗という考え方を背景に、相手と距離を取り、違う意見には話題を変え、うまくけんかを避けます。親密な間柄では意見を述べ合って立派な関係を築きます。外国では無駄なけんかが絶えません。

 明治期も戦後も、日本は短期間で立派な産業国家になりました。とてつもない高い労働意欲、諸外国からよい文物を摂取し、日本の鋳型に入れる知恵があったからです。

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