PR

ライフ ライフ

【移りゆく味 築地市場移転】外国人も惜しむ伝統 1日300人超が来店「大和寿司」

場内の狭い通路には連日、大勢の客でひしめいている=中央区築地の「大和寿司」
Messenger

 世界最大級の魚市場、築地市場(東京都中央区)の一角に飲食店街「魚がし横丁」がある。本来は市場で働く人、買い出しの人向けだったが、最近は見学者、特に外国人観光客らがほぼ占拠している。

 各店舗には移転を惜しむように客が押しかけている。「大和(だいわ)寿司(すし)」もその一つ。幾重にも折り返された長い列に並んでいたブラジル人の男性(35)は「ブラジルから成田まで飛行機で28時間。インターネットで調べて、この店と狙いを付けて来た。市場内は狭くて人も多いが、古びた雰囲気がいい。歳月をかけてつくられた伝統はどこへ行くのか」と残念そう。

 行列のお目当てはおまかせにぎり(1人前3780円)だ。朝食や昼食には安くないが、新鮮で極上のネタが食べられるということから、早朝から昼すぎの限られた営業時間で、1日に300人以上の来店があるという。

 記者も並んでみた。カウンターの盛り台には大トロ、中トロのにぎり、山盛りのイクラなどが小気味いいテンポで載せられていく。巻物は一見、「普通の鉄火巻か」と思ったが、マグロだけでなく、イクラも隠れるように入っていたのが小さな驚きだった。

 社長の入野光広さん(49)は「とにかく外国のお客さんが多い。朝、国際線が羽田空港に着くと、その足で店に来てくれる人も」。その上で、「うちは先代のおやじが開いてから50年たった。築地の場内が閉じるのは仕方がない。豊洲にいいものを引き継ぎたいとの思いが大きい」と期待を込める。

 築地での営業は10月5日の昼ごろまで。12日、移転先の豊洲市場(江東区)で営業開始の予定。ただ、都では見学・来場可能な日程をまだ公表しておらず、一般は当面、場内の飲食店にも入れない見通しだ。(大家俊夫)

 10月6日、83年の歴史を閉じる築地市場。そこで、愛されてきた味を2回にわたって紹介する。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ