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【書評】「釣れた魚と釣った魚は違う」最も狡猾な人物は誰か 『鯖』赤松利市著

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【書評】
「釣れた魚と釣った魚は違う」最も狡猾な人物は誰か 『鯖』赤松利市著

『鯖』赤松利市著 『鯖』赤松利市著

 日本海の孤島を拠点に一本釣りで日銭を稼ぐ35~66歳の5人の荒くれ漁師を軸に物語は展開する。

 巨額の資産を持つIT会社社長のビジネスパートナーで中華系カナダ人の女性が、塩漬けのサバをぬかに漬ける「へしこ事業」のもうけ話を提案。男女8人の研修生も加わり、貧困から脱却する成功譚(たん)として読み始めたが、ある事件を契機に破滅が始まる。

 「釣れた魚と釣った魚は違う」-。船頭の言葉が暗示的だ。最も狡猾(こうかつ)な人物は誰かを考えながらページをめくった。1月に第1回大藪春彦新人賞を受賞した「62歳、住所不定、無職」という著者の初長編。(徳間書店・1700円+税)

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