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【話の肖像画】パソナグループ代表・南部靖之(4) 米メディアで「日本のトランプ」

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 無料で求人情報を張り出し、職業紹介イベント「ワークレスキューフェア」を行うと、女性やホワイトカラーの仕事を求める人がたくさん集まりました。ところが公共職業安定所(ハローワーク)から職員が2人来て、神戸支店は職業紹介の認可を受けていない、そのため職業斡旋(あっせん)をすると違法になる、と注意されました。

 監督官庁の労働省(当時)からも「利益目的か」「そういうことは官がやる」と言われました。こんな時に国も民間企業もないじゃないかと思いましたが、仕方ない。こうなったら一刻も早く、直接雇用の受け皿をつくらないといけません。翌年春のオープンを目指し、神戸ハーバーランド内の百貨店撤退跡に、大型商業施設「神戸ハーバーサーカス」をつくることを決断しました。

 〈復興のために私財も会社の事業も振り向けたが、資金には限界があった〉

 震災の少し前に全社員が集まって開いた会議で、新本社ビルの青写真を披露したばかりでした。震災後、僕は「手の中に2本の矢がある。しかし1本の矢に資金も労力も時間も集中したい。1本は本社ビルを建てよう、もう1本は神戸に行って復興をやろう、だ」と、再びみんなに問いました。そうしたら、みんなが「本社ビルはいつでも建てられるから神戸に行こう」と。

 神戸ハーバーサーカスでは、被災して店を失った人に無料で一坪ショップを貸し出しました。玩具量販のトイザらスに「なるべく多くの雇用を確保したい」とお願いしたら、ワンフロアで商品を高く積み上げる通常の形態とは違う、複数フロアでの出店を米国本社の社長が了承してくれました。

 ベンチャー三銃士と呼ばれたソフトバンクの孫正義君や、エイチ・アイ・エスの澤田秀雄君も駆けつけてくれました。何人雇用できるかの挑戦でした。僕から「挑戦」を取ったら何も残らない。「正正の旗堂堂の陣」ですよ。(聞き手 大塚昌吾)

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