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【ゆうゆうLife】家族がいてもいなくても(561) 「いいんじゃないの」の達成感

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【ゆうゆうLife】
家族がいてもいなくても(561) 「いいんじゃないの」の達成感

 途中、5歳の孫娘が「とーたんが、いな~い」と泣いて来たのを、「はい、はい、これあげるから、泣かずに待っててね」とお菓子を安易に与えてなだめたり、パソコンを取りにきた息子が、ずらりと並んだ女性にひるみ、「どうも…」と無愛想に挨拶したり。時々邪魔は入ったが、朝10時から30分の食事休憩を挟んで午後4時まで、全員が没頭した濃い6時間だった。

 さすがに頭がぼ~っとしてバッテリー切れになった。

 それにしても、集団で仕事をすると、それぞれの性格が、ついあらわになる。

 「隅から隅まできっちりしていないと気のすまない」タイプもいれば、「その程度いいんじゃないの? どっちでもさあ」みたいなアバウトなタイプもいる。私は後者。何かにつけて、「そこまでは(しなくても)いいんじゃないの?」を連発。しまいには、私の「いいんじゃないの?」で皆が笑い出すほど。しみじみ、これは私がやってはいけない作業だと実感した。校正の仕事に「いいんじゃないの?」はご法度なのだ。

 でも、乾杯のお酒のおいしかったこと。いいんじゃないの? と言い続けても、仕事の達成感だけはひとしおだったのである。(ノンフィクション作家・久田恵)

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