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【話の肖像画】パソナグループ代表・南部靖之(2) 寺に“住み込み”生き方学ぶ

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 豊かな心をどう持つか。惑わされない心、こだわらない心、地位とかお金とか俗世的なものにとらわれない生き方をしなさい、ということを大学まで通じて教わりました。

 父や母の言葉からも、「価値観の多様性」の大切さを身に付けました。兄に比べて勉強が好きでなかった僕に、母は「算数で100点を取るのも、100メートル走で1番になるのも同じ才能だよ」と言ってくれました。テストで良い点が取れなくても、絵を描くと、お小遣いを10円くれたりしました。僕は、勉強ができるとかできないとかで友達を選ばなかったので、その頃から僕の周りにはたくさんの友達がいました。

 〈大学在学中に学習塾を開き、そこからパソナの前身のテンポラリーセンター設立へとつながっていく〉

 塾に通う子供たちのお母さんから話を聞くと、一流企業で働いた経験があったり、英語が話せる優秀な人もたくさんいた。しかし、再び働きに出たいと思っても、経験を生かし、能力に見合った給料をもらえる仕事がありませんでした。第1次石油危機後の景気の悪い時期で、僕自身の就職も決まらず、「社会問題を解決したい、家庭の主婦が働くことができ、高収入を得られる仕事をつくりたい」と考えました。

 労働時間による差はあっても、時間給は正社員と変わらない仕組みです。「人材派遣」という言葉はまだ、日本にはありませんでした。

 就職もせず、会社を立ち上げるなんて考えられない時代でしたが、中堅化学メーカーを経営していた父は反対もせず、「よっしゃ」と。恩師の住職も、「本当に大切なものは何か、見つめながら事業をやりなさい」と応援してくれました。(聞き手 大塚昌吾)

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