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【編集者のおすすめ】『[証言録]海軍反省会11』戸高一成編 旧軍人たちの肉声を活字化

『[証言録]海軍反省会 11』戸高一成編
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 2009年8月から刊行を開始した『[証言録]海軍反省会』が全11巻で完結した。本シリーズは、日本海軍が先の大戦にどう挑み、敗れたのか、現場の中堅以上の幹部たちはいかに考え、行動していたのかが、生の声で語られている、これまで類例のない貴重な資料である。

 400時間もの録音記録を起こした編者(呉市海事歴史科学館〈大和ミュージアム〉館長)は、「旧海軍軍人が残した資料・記録・研究はあまたあるが、肉声で語られたこの記録には、当事者しか表現し得ない『感情』が込められて、活字化しても口調や言葉遣いからにじみ出る。これこそ編者が全記録を残したいと考えた核心であり、このような資料は、今後出現することはない」と断言する。

 先の大戦にかかわる文献は、当事者の体験がまず第一の事実として扱われてきた。しかし、戦後73年となった今、その「第一の事実」を語りうる人々はほとんどいなくなった。「海軍反省会」参加者たちも、「発言したメンバー全員の死後、公表を許可する」という了解の下に言いにくいことも証言していった。

 今後の研究はいよいよ内外の文献資料によることになるが、その不可欠のものとなると同時に、戦史・戦記愛好家にとっては、意外な新知見の山で、読書の醍醐味(だいごみ)を存分に味わえるものとなっている。

 最終巻には「総目次」「総索引」を掲載。未読の方は11巻で必要な巻を探すことをお勧めしたい。本物に触れたい方の一読を請う次第である。(PHP研究所・9200円+税)

 PHPエディターズ・グループ 大久保龍也

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