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【酒と海と空と(3)】繊細な作業 1週間持つか 「ボイルされている」感覚に  

熱を放出させるため、必死の形相で蒸し上がった米を混ぜる記者
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 産経新聞社が、新潟県佐渡島の地域振興を支援しようと始まったオリジナル酒「辛口産経」の製造が今年で3年目を迎えた。新潟支局の若手、2年目の太田泰記者が1週間、佐渡に泊まり込んで酒造りを体験した。都会育ちの太田記者。朝早く、暑さと寒さ、体力を使う酒造りの仕事を無事に完走できるか。

最も重要な「麹」作り

 7月13日。朝、大海原が右手に見える国道350号を赤い愛車で走る。青い海と青い空。絶好のドライブ日和だ。だが、数日前から不安で仕方がなかった。自炊すらまともにしたことがない自分が果たして酒を造れるのか-。

 約20分で学校蔵に到着。今回、一緒に酒造りを体験する3人と初対面した。会社員の山本美広さん、昨年から同県糸魚川市で酒屋を営む両親を手伝う山沢五月さん、大学生の清田大介さん。みんな酒造りに興味津々、やる気に満ちている。自己紹介などをしているうちに、気持ちが軽くなったような気がした。

 まず、酒造りで最も重要な「麹(こうじ)」を作る作業だ。室温10度ほどの「仕込み室」に入る。

 高さ2メートル、直径1・5メートルほどのドラム缶のような「甑(こしき)」で約75キロの酒米を蒸し上げ、蔵人が3人がかりでスコップで布の上に乗せていく。蒸し米を布越しにつかみ山を作り、冷めてくると、直に手で空気に混ぜ込む「放冷」の作業だ。

 次は、冷ました米を広さ8畳ほどの麹室(こうじむろ)に運ぶ。室温は約30度、湿度は60%台後半。麹菌の繁殖に適切な温度だ。

 平らに米を広げると、杜氏(とうじ)の中野徳司さん(42)が種麹(麹菌を繁殖させたもの)を振りかける。手で混ぜて温度を均一にする。全体に広げては寄せる作業を3回ほど繰り返し、山のように積んだら乾燥防止と保温のため、毛布を何枚もかけた。

 午後も麹室に入り、ひたすら混ぜ合わせて温度と水分を均一にしていき、初日の作業が終了した。

手のひらで繁殖促す

 翌日は午前5時半に起きて学校蔵に向かった。麹室で、酒米をよく見ると半透明の米粒の中に、白い小さい点がぽつぽつ見える。「白いのが麹菌の最初の菌糸が入り込んでいるところ。いまは半透明だけど菌糸が育つと、もっと白くなる」と、中野さんが説明してくれた。

 山積みの麹を手で崩し、塊を手のひらで押しつけ米粒に砕く。麹菌に酸素を与え、繁殖を促すのだ。

 麹の温度が適正かどうか、粒が均一になっているかどうかを確認すると、今度は縦50センチ、横30センチ、高さ10センチほどの木箱に麹を均等に分け、また寝かせる。

 次は仕込み室で、酒米60キロを洗うと、水を張った大きなたらいの中に、米を網に入れてつける「浸漬(しんせき)」だ。

 タイマーを5分にセット。4分ほど経過すると、中野さんは黒いプラスチック製の小さな板を取り出し、上に米を乗せて吸水具合をチェックする。

 水を吸った部分は白くなり、水を吸わない中央が丸く半透明に残り「目玉」といわれる。これが大き過ぎても、小さ過ぎても駄目なのだそうだ。「(タイマーを)30秒延ばして」と中野さんが細かく指示する。

 設定時間はその日の室温や水温によっても変わってくるらしく、繊細な作業なのだと改めて感じた。

 休憩後は、再び麹室へ。ここへ入るとボイルされているように感じて苦痛になってきた。こんなことで1週間持つのか。心配だ。(太田泰)

 産経ネットショップ(https://sankeishop.jp/)で「辛口産経」の予約受け付けを始めました。価格は720ミリリットル2280円、1800ミリリットル3780円(いずれも税・送料込み)。電話(フリーダイヤル0120・501・675)でも予約できます。お申し込み番号「SA180901」とお伝えください。14日以降に発送予定です。

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