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【書評】『歪んだ波紋』塩田武士著 誤報をテーマとした記者のストーリー

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【書評】
『歪んだ波紋』塩田武士著 誤報をテーマとした記者のストーリー

『歪んだ波紋』塩田武士著 『歪んだ波紋』塩田武士著

 グリコ・森永事件を題材にした「罪の声」が18万部のベストセラーとなった著者が、「誤報」をテーマに現役の新聞記者、定年や結婚で新聞社を退職した元記者らを主人公にした5編の連作集。

 死亡ひき逃げ事件で捏造(ねつぞう)された被疑車両写真、同期の自殺を機に判明した33年前の誤報、報道されない有力者の息子の盗撮事件…。「共犯者」「ゼロの影」など各編の題にはいずれも松本清張作品への敬意が込められ、表題の最終話で物語は一気につながる。誤報の裏でうごめく悪意にどう対峙(たいじ)するか-。「記者は現場やで」。最終話でOB記者のつぶやく言葉が胸に響く。(講談社・1550円+税)

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