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【解答乱麻】明治150年を振り返る 民主主義を考え直すとき 日本漢字能力検定協会代表理事会長兼理事長・高坂節三

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 「しずかなしずかな 里の秋」で始まる小学唱歌の3番目の歌詞「さよならさよなら 椰子(やし)の島 おふねにゆられて かえられる ああ とうさんよ ご無事でと 今夜もかあさんと 祈ります」。哀調こめたこの歌は、当時、出征兵として戦地に送られた留守家族の人々の祈りの歌であったに違いない。大黒柱を失ったこの小学生は中学を出てすぐに地元の会社に就職し、高校生活は夜学生として頑張り、80歳を超えた今は地元の町のボランティアとして活動を続けておられる。

 「日本はかつてはきわめて貧しく、農業を主とした国で厳格な階級と身分に縛られていたが明治維新から30年後、近代国家となり、帝政ロシアを破れるほどの軍事大国になり、世界貿易の重要な一角を占めるようになった…日本も結局は明治の成功に縛られてしまった。…日本の独立を守るという手段にすぎなかった軍事力が目的そのものにされてしまった」(ピーター・ドラッカー『マネジメント』)

 同世代を生きた作詞家、阿久悠は当時のことをこう記している。「教科書にべっとりと墨を塗り、心の誇りを封じこめて、敗者として恭順の意を示した。…民主主義は、誰かの先生の口を借りてここで(通っていた都志小学校)第一声を発した。それは実に“昨日までのことは悪いこと、昨日までと逆のことをやったらよろしい”といった乱暴な定義づけで、先生よりは生徒がえらい、巡査より泥棒がえらい、親より子がえらいといった解釈が大真面目で通用した。ぼくの仲間にも、先生に不行儀を咎(とが)められると、“先生民主主義やで”と恫喝(どうかつ)の手段に使うのがいたくらいである。

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