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【書評】演劇ジャーナリスト・永井多恵子が読む『百年の秘密/あれから』ケラリーノ・サンドロヴィッチ著 久方ぶり!長編戯曲の味わい

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 「病院ってとこは嫌ね。人がこの世からいなくなるのをそおっと隠してごまかしているみたいで…」

 座付き作者の一面も持つ多作家だから観客に響く微妙なせりふのやりとりがうまい。「戯曲」というからには音楽的な要素も必要だ。「…」で表される「間」、カッコ書きの中の「動き」の指定がリズムを呼び起こす。

 さて、女性同士の生涯にわたる固い友情の存在を読者は信じるだろうか。共に死ぬほどの友情を…。幼い判断が人生を狂わせていく「秘密」は100年の歳月を経て、終幕に明かされる。伝わってくるのは残酷な行為の裏にある少年少女たちのイノセントな感情だ。秘密を託された楡の木だけがそれを見守っている。(ハヤカワ演劇文庫・1500円+税)

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