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朝吹真理子さん7年ぶり新作「TIMELESS」 重なる時間、循環する命

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 恋愛感情なく

 物語の主人公である女性・うみは、広島で被爆した祖母をもつ高校の同級生・アミと成り行きに流されるように結婚する。恋愛感情を抱かない2人は「交配」した末、息子のアオを授かる。結婚後も恋愛は自由で、互いの名字すら忘れる始末。でも離婚はしない。奇妙な距離感を保つ男女の歩みが描かれる。

 「私たちは恋愛と結婚がイコールで結ばれる時代のただ中にいる。でも恋愛しない自由も人間は持っていていい。縛られない形で人と付き合おうとする女性像が自然と浮かんできた」

 タイトルは「永遠の」といった意の英語。友人の披露宴帰りに、六本木を散歩するうみとアミは気づけばタイムスリップするようにして、すすき野原を歩いている。個人の歩みと歴史的記憶が混ざり合い、物語の時空は広がる。「時間は過去から未来へリニア(直線的)に流れると思われがちだけれど、過去にならないまま現在に流れ込み偏在する時間がたくさんある。普段はそれを遮断しているだけだと感じるんです」

 超越するのは「時」だけではない。17歳になり奈良でアルバイト生活を送るアオの目の前で、雨が降りしきり、やがて若くして死んだ人々も逆さまに降ってくる。一見超現実的な描写から、人と自然という垣根を越えた「命の循環」の形がリアルに迫ってくる。

 「小さいころに見た、火葬場から上がる煙の記憶が今もある。思ったんですよね、あの煙は雲になり雨となって誰かの所へ降るんだなって…」。懐かしい記憶と、〈原子の総量は地球が誕生してから変わらない〉という後に得た知識が自然と響きあった。

 「この自分の体も原子にばらせば過去のいろんなものの名残でできている。そして命が絶えたら幾ばくかが何かに継承される、ということを繰り返して、世界は続いていく。その地球の運動が面白いなと感じる」

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