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【編集者のおすすめ】長編ミステリー『骨を弔う』宇佐美まこと著 人間の不可思議さ思わせる

『骨を弔う』宇佐美まこと著(小学館・1600円+税)
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 昨年、「愚者の毒」で日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門を受賞された、宇佐美まことさんが「長年、ずっと書きたくて温め続けてきた」という長編ミステリーです。

 小学校時代、同級生たちが興じるようにして山中に埋めた骨格標本。だが、それは本当に標本だったのか。そのときに何が起きていたのかを、30年近くの時を経て、齢(よわい)を重ねた彼らが探っていく、というのがメインストーリーになっています。

 誰が、なぜ、どうやって事をなしたのか。そこは、もちろんミステリーである以上、本書のポイントになってはいますが、かつての記憶をひもとくうちに、揺さぶられることになる40歳を迎える今の彼らの生きように、しだいに作者の筆は照準を定めていきます。

 それぞれの人生のなかで、簡単に割り切ることのできないさまざまな思いが、彼らに最終的にどんな作用を及ぼしていくのか。善悪の向こう側にある、人間の不可思議さを思わずにはいられない、そんな読後感を何度読んでも感じずにはいられませんでした。

 著者は若いころから、ずっと小説を書きたかったけれど、家庭の事情などもあり、ようやくデビューしたのが、今から10年以上前、50歳の頃。前回の芥川賞を受賞された「おらおらでひとりいぐも」の著者、若竹千佐子さん同様、遅咲きデビューの小説家として活躍する書き手は、これからも増えていくように個人的には感じています。

 小学館出版局文芸編集室 石川和男

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