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【話の肖像画】小説家・真山仁(5)ロッキード事件が不思議だった 日本は米と共倒れするのでは

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 〈日米両国がタブー視してきた軍事問題の闇に迫る。事件関係者への取材を重ね、核心に近づきつつあった。それは、ロッキード社が売り込みたかったのは民間機ではなくP3C対潜哨戒機であり、日本の純国産次期対潜哨戒機「PX-L」の開発阻止に狙いがあったのではないかということだった〉

 取材を始めて早い段階で、これは民間航空機の贈収賄ではなく、軍事問題の事件であると確信しました。アメリカから降って湧いてきた資料と証言で、事件の捜査は始まったのです。アメリカの裁判所にコーチャン元副会長らの証人尋問を嘱託し、予想された証言拒否に対処するため、検事総長と東京地検検事正が「証言内容が日本の法律に触れても将来とも起訴を猶予する」という不起訴宣明を出す。そんな漫画みたいなことが行われたのです。ある判事に取材したら、「今なら絶対にあり得ない。そもそも裁判にならない」と証言しました。

 アメリカのトランプ大統領が日本に次々と無理難題を言ってくる。ロッキード事件のあった40年前と変わっていません。なぜか。40年前に落とし前をつけなかったからです。日本側も忖度(そんたく)して自己規制しているのです。アメリカは日本にとって大事な国であることは間違いありません。ですが、このままだと共倒れするのではないかと危惧しています。

 驚いたことに、これまで取材をお願いした事件関係者のうち、完全に断られたのは数人だけです。「知っている話しかできないよ」と言いながら、引っ張り出すといろいろな話が出てくる。ずっと口をつぐんできた人も、人生の最終コーナーにさしかかり、語り残さなければいけないと思っているのでしょう。今、ロッキード事件を取り上げることは、とてもリアリティーがあると思っています。(聞き手 大竹直樹)=次回は歌手・俳優のピーターさん

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