PR

ライフ ライフ

【話の肖像画】小説家・真山仁(4) 震災を描くのは宿命

Messenger

 〈20年の北京五輪開催を前に、中国の世界最大の原発を舞台に、メルトダウンに迫った小説『ベイジン』を連載したが、その3年後には東日本大震災と未曽有の原発事故が発生。当時は、原発産業に注目し、近未来の日本の政治を描いた小説『コラプティオ』を雑誌に連載中だった〉

 『コラプティオ』の中で「リーマン・ショックから立ち直るために、原発輸出が必要」などと言っていました。しかし、こんなときに原発輸出でいいのかと。あの日初めて、宿命だと思いました。前に進むしかない。急遽(きゅうきょ)、連載中の原稿の締め切りを少し待ってほしいと編集部にお願いし、最終回だけ、震災が起きたことにして書き直そうと、原稿用紙170枚を3日で書きました。

 〈特捜検事・冨永真一シリーズ1作目の『売国』は、宇宙開発やロケットという壮大な舞台回しがあったが、2年前に産経新聞で連載された続編の『標的』は巨悪に挑む特捜検事の内面が描かれた〉

 作家生活が10年を過ぎ、シリーズものは『ハゲタカ』だけでした。もう少しミステリー寄りのことをやりたい。刑事事件だけど、殺人ではなく…。そう思っていた頃、厚生労働省の元局長が無罪になった郵便不正事件の捜査で、大阪地検特捜部の検事が押収証拠を改竄(かいざん)した事件(22年9月)がありました。

 地検特捜部がどういう仕事をしているのか。特捜検事はどうやって政治家を摘発していくのか。検事という人間が組織の中で何に縛られ、何をモチベーションに動いているのか描きたいと思いました。権力を監視する重しとして、特捜部には頑張ってほしいという思いもありました。 (聞き手 大竹直樹)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ