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【話の肖像画】小説家・真山仁(2)新聞記者になった理由は

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【話の肖像画】
小説家・真山仁(2)新聞記者になった理由は

「香住究」というペンネームの共著で出した『連鎖破綻 ダブルギアリング』の出版パーティで(本人提供) 「香住究」というペンネームの共著で出した『連鎖破綻 ダブルギアリング』の出版パーティで(本人提供)

 〈骨太の作風で知られる小説家。その原点は、少年時代にあった〉

 少年時代は吃音(きつおん)で苦労し、コンプレックスと闘ってきました。しゃべりたい自分と、しゃべるとどもってしまう自分の間で葛藤があったのです。小学校の学級会では、「こういう面では良いかもしれないが、こういう視点を忘れているし、もしこういうことをしたらどうするの?」といった具合に反対する面倒くさい子供でした。結果的に、学級会が終わる頃には、自分の意見が通っていました。

 児童会の役員を務めていたとき、夏休みの過ごし方として、午前11時まで家の外に出てはいけないという学校のルールがあったのです。それで「そのルールはおかしい」と主張したら、先生に職員室に呼び出され、「勝手にルールを変えるな。そういうことをするときは事前に教えてほしい」と言われました。「それは検閲ですよね」と言いましたが、くそ生意気な小学6年生だったでしょうね。既存のルールを変えたかったのです。友人たちからは「政治家になれ」と言われていました。

 ただ、政治家は国会の過半数を取らなければ世の中を変えられません。弁護士も考えましたが、弁護士は法廷で勝っても社会は変えられません。たった一人の人間が社会に向けて「世の中がおかしい」と物申せる職業は何か。それが小説家でした。小説家を意識しだしたのは小学6年生でした。

 〈その夢を具現化するため、3日に1冊のペースで小説を読みあさった。アガサ・クリスティに横溝正史…。ほとんどがミステリーだった〉

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