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【聞きたい。】石川理夫さん 『温泉の日本史』 江戸時代より前からの存在はわずか62カ所

温泉評論家の石川理夫さん
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 現在、全国に3千カ所以上ある温泉地。歴史の長さをうたう場所も多いが、本書によると江戸時代よりも前から存在するのが史料・物証的に確実な温泉は、わずか62カ所だという。

 「温泉地のパンフレットにはよく『開湯○○年』『日本一古い』などと口上がありますが、言い伝えをそのまま載せているだけで、文献などの根拠を挙げたものはほとんどない。聞く方も半分バカにして本気にしない悲しい状況があります。もう少し何とかならないか、と思いました」

 日本人と温泉の関わりは古いが、そのわりに歴史的な考察が軽んじられてはいないか。本書は記紀や風土記、六国史や貴族の日記などの文献史料を幅広く渉猟し、温泉に関する記述を丹念に収集。歴史学者もあまり真面目に取り組んでこなかった日本の温泉の来歴について、多彩なエピソードでつづる貴重な通史だ。

 格別に古いのは『日本書紀』にも登場する道後、有馬、白浜の3古湯。中世に入ると箱根、熱海、草津、別府という今もメジャーな名湯が歴史の表舞台に姿を現す。入浴を奨励する仏教の影響を受けた温泉信仰も盛んになり、各地で行基や空海ら古代の高僧を開湯の祖とする伝説が生まれた。江戸時代になると湯治旅が一般化し、温泉番付など豊かな温泉文化も花開く。

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