PR

ライフ ライフ

【書評】童話作家・赤羽じゅんこが読む 『気がつけば 動物学者三代』今泉忠明著 あの人気事典監修者の生き方

Messenger

 ヘビやネズミがウロチョロと走り回り、動物の糞(ふん)や骨がゴロゴロところがっている家って想像できますか? 今春、こどもの本総選挙でも1位になったベストセラー『ざんねんないきもの事典』(高橋書店)の監修者、今泉忠明さん(74)が育った家庭がまさにそれ!

 本書は、そんな今泉さんのこれまでの歩みを明かしたもの。チチブコウモリを飼育し、標本作りまでマスターした小学生時代。父親の手伝いに奮闘した中高校生時代。動物調査に夢中になりすぎて「変わっている」といわれても少しも気にならなかった大学生時代をへて、父親と同じ哺乳類を調べる動物学者に。ちなみに、夏休みの自由研究でウミホタルを調べた息子さんは今、海洋生物の学者で、「三代」というわけ。

 野生動物の研究の仕方は驚くことばかり。たとえば、イリオモテヤマネコの生態調査でひろい集めた糞の数は、なんと1000個。当時席があった国立科学博物館の机の上は糞でいっぱいになったという。その糞1個につき1枚台紙を作り、糞から取り出した羽や鱗(うろこ)を貼って、調べあげるのだから根気がいる作業だ。

 この本には他にもナキウサギ、エチゴモグラ、トウホクノウサギ、コモドオオトカゲなど、多くの動物たちをめぐるエピソードが満載。とことん粘り強い性格のため、ニホンカワウソ(現在は絶滅種)の写真を撮るため足摺岬で命を落としかけたことも。また、その貴重な1枚の撮影に費やした日数は延べ半年!

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ