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【編集者のおすすめ】『私たちは中国が世界で一番幸せな国だと思っていた』 石平、矢板明夫著 文革期にあった実体験の数々

石平、矢板明夫著『私たちは中国が世界で一番幸せな国だと思っていた』
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 □『私たちは中国が世界で一番幸せな国だと思っていた わが青春の中国現代史』

 元中国人エリートの石平氏と、残留孤児2世として15歳まで中国で育った新聞記者、矢板氏という、中国共産党政権が警戒する2人の初対談。

 本書の目玉は毛沢東の文化大革命期、「中国の近代史上もっとも暗黒な時代」(石平氏)に両氏と家族が実体験したエピソードの数々だ。

 矢板氏の父は写真店でカメラマンを生業(なりわい)にしていたが、日本人というだけでスパイ扱いされ、10年間銭湯でアカスリをさせられた。

 石平氏のご両親は下放(地方に送り出す思想政策)され、幼少の氏を田舎へ残し、別々の農村へ8年も送られた。人民公社に搾取され農民なのに餓死者が出た。両親を密告した中学生の息子が「英雄」となり、祝日直前に必ず行われた「公開処刑」が唯一の娯楽だったという。同人誌を出版した矢板氏の知り合いも殺された。雑誌名「北へ」がロシアをさし、スパイだというのだ。

 だが、全員が同じような境遇だったため「地獄」とも思わなかった。そればかりか、情報統制と洗脳教育により「私たちは中国が世界で一番幸せな国だと思っていた」。

 恐ろしいのは、トウ小平時代に一旦廃止された公開処刑が今復活しているという。しかも、その際使われる銃弾の費用は驚くべきことに家族持ちなのである。日本人の感覚ではとうてい受け入れることができない世界観であろう。

 対談は終始笑いのなかで行われた。しかし涙なしには読めない内容だ。これまで何冊読んでも「わからなかった」中国が見えてきた。(石平、矢板明夫著/ビジネス社・1300円+税)

 ビジネス社編集部・佐藤春生

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