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【正論・戦後73年に思う】歴史の是正を世界に宣揚せよ 東京大学名誉教授・小堀桂一郎

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 おそらくは、先帝陛下が昭和50年11月に、御微行の如(ごと)き控へ目な靖国神社行幸を果たされた際の、異様な政治問題化が今上陛下の御親拝未済の最大の原因であらう。

 この問題を政治の面で解決し、両陛下の靖国神社への行幸啓に何の支障もない環境を用意し奉るのが政府の責任だが、爾来歴代の内閣はこの重大な責務を怠り続けた。宮内庁の如き弱体な官庁の責任は敢へて問ふ気にならない。罪は政府中枢の懈怠(けたい)にあり、又対日戦争で痛めつけられた旧敵国の怨恨(えんこん)と悪意を毅然として遮断する策を執れなかつた外務省の怯懦(きょうだ)と不見識にある。政府や外務省の弱腰の究極の原因は所詮70年間我が国の知識人の心性を毒し続けた東京裁判史観による責罪意識である。

 ≪「日本断罪史観」脱却の動き

 然(しか)しこれは近年の安倍晋三首相の国際政治の舞台での成功とその存在感の効果による事なのだが、旧連合国を中心とする国際社会での日本断罪史観の暗い翳(かげ)は明らかにその影響力を減殺してゐる。その圧力に対し我が国の思想界の一劃(いっかく)から発する強い反撥(はんぱつ)は、従来歴史修正主義といふ貶斥(へんせき)的な呼称を以て片付けられてしまふのが通例であつたが、昨今ではむしろ修正を要求する側の正当性が承認される傾向が顕著になつてきてゐる。

 例へば「史実を世界に発信する会」の英文の送信にアメリカ合衆国の歴史家から肯定的な反応が戻つてきたり、大東亜戦争は日本の自衛戦争であつたといふマッカーサーの上院証言や同じ趣旨のフーバー回顧録が想起され、改めて関心を惹(ひ)くといつた現象もある。

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