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海外では当たり前の食中毒対策「放射線照射」 消費者にもメリット…日本ではなぜ使えないのか

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海外では当たり前の食中毒対策「放射線照射」 消費者にもメリット…日本ではなぜ使えないのか

世界で利用されている食品への放射線照射(2013年) 世界で利用されている食品への放射線照射(2013年)

 照射は冷蔵・冷凍のまま新鮮な状態で処理でき、色や香り、栄養素が高品質に保たれることから、海外ではスパイスやハーブの殺菌に使われることが多い。

 日本でも平成12年、全日本スパイス協会が殺菌目的で香辛料への照射の許可を厚生省(当時)に要請した。また、厚生労働省は22年、審議会で照射について検討し、科学的知見の収集と消費者の理解を進めることを今後の課題とした。

 いずれも、その後の進展はなく、照射の許可の前提となる内閣府食品安全委員会のリスク評価もいまだに実施されていない。

 ただ、農産物を海外に売り込みたい農林水産省は今年度、検疫処理のための照射技術の研究に初めて予算を付けた。桃やブドウなどの高級果実を高い品質のまま輸出するのに役立つ可能性が期待されるからだ。

照射判明なら廃棄

 照射によって安全性を保っている海外の食品も、日本では禁止のため輸入時に厳しくチェックされ、照射が判明した場合は回収し廃棄される。これまでに、中国やドイツ、ブラジルなどから輸入された冷凍シャコや乾燥シイタケ、パプリカ、唐辛子、健康食品などで照射が分かり、回収・廃棄などの措置が取られた。

 照射が判明したときの回収・廃棄コストは企業負担だが、回り回って価格に転嫁されるなら消費者が負担しているともいえる。照射の有無を調べる検査も税金で行われている。

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