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【話の肖像画】富士そば会長・丹道夫(4)天童よしみさんにも詞を提供

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 ある時期までは、富士そばが60店舗になったら、作詞家一本でやっていこうと考えていました。そのぐらい本気でやろうと。店が念願の60店になった69歳のころ、漫画家の東海林さだおさんと雑誌の対談をしました。東海林さんは富士そばをよく利用してくださって、ファンであることを公言していたからです。対談で「僕は作詞家になるんです」と言ったら、東海林さんの表情が険しくなりました。そして、「まだそんなことを言っているのか。君を信じてみんな働いているんだよ。そんなことで社員たちはどうなるんだ」と語気を強めました。ハッとしました。そして、本気でそばに命を懸けようと思いました。厳しいことを言ってくれた東海林さんには、心の底から感謝しています。

 今も作詞はしていますが、使っているエネルギーは3割くらいです。あと7割は本業です。作詞を続ける理由は、もちろん好きだからですが、本業だけやっていてはつまらないという気持ちもあります。

 それに、演歌には多くのことを教えてもらいました。演歌は逆境や人生の苦しみを表現するものです。いつも親しんでいれば、自然に人の気持ちが分かるようになるのです。

 〈富士そばの店内では、BGMとして演歌が流れている〉

 若いころ、たくさん苦労しました。その日寝る場所がなくて途方に暮れたこともありますから、いろんな境遇の人がいることを知っています。人が大勢いる都会だからこそ、1人でいると余計にさみしい。つらく苦しいときには、富士そばで、傷を癒やしてください。(聞き手 櫛田寿宏)

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