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【話の肖像画】富士そば会長・丹道夫(2) 義父に手を箸でたたかれた

富士そば会長・丹道夫氏(宮川浩和撮影)
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 〈名古屋市で生まれたが、すぐに父親が他界。母親は愛媛県の男性と再婚し、義父のもとで幼少期を過ごした〉

 再婚してすぐのころは、義父も私に対して優しくしてくれました。しかしその後、弟が生まれると、血のつながっていない私に対し、とてもつらく当たるようになりました。水くみや掃除など、家のこともさせられました。私は家族としてではなく、使用人のように扱われました。

 ある日の夕飯の出来事が忘れられません。大好物の小エビと大根の煮物を食べようと箸を伸ばしたら、義父が私の手を箸でパチーンと、強くたたいたのです。食べていいと言っていたのに、急に気が変わったようなのです。その様子を見ていた母親が、「何をしているの、あんた」と言って夫婦げんかが始まりました。とても傷つきました。

 小さい子供に対してひどい仕打ちの数々だったと思います。私は当時、体力もなければ知恵もお金もない。自分の力では状況を変えることができない。そんなつらい時期でした。今思えばですが、義父は男として家庭を守らなければならないのに、当時は戦時中で、思うように生きられないというジレンマがあったのかもしれません。

 〈高校に進学するが、遠方だったことから続かず、1学期で中退してしまう。そして、青果店で働くようになる。高級な果物を磨いたり、お得意先に注文を取りに行ったりするのが主な仕事だった〉

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