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【モンテーニュとの対話 「随想録」を読みながら〈31〉】水を差す勇気はあるか

ロダンの「カレーの市民」=東京・上野公園の国立西洋美術館前庭(桑原聡撮影)
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大丈夫か酷暑の甲子園

 快晴の昼過ぎ、東京メトロ千代田線の湯島駅で降り、不忍池のほとりをまわって上野の山に向かった。猛暑で汗が噴き出る。脳みそがゆだってくるようだ。咲き始めたハスの花なんぞを愛(め)でるどころではない。必要なのは麦わら帽子と脳みそへの「差し水」だ。暑い、いや熱い。

 まもなく夏の甲子園が始まる。こんな気候が続けば応援スタンドできっと死者が出るぞ。高野連と朝日新聞はどんな対策をしようというのか。さっさと甲子園球場からドーム球場に変更すべきだろう。同様に2年後の東京五輪のマラソンと競歩。こちらは選手が死ぬぞ。選手に懲罰を加えることが目的でないのなら、サロマ湖あたりにコースを移すべきだ…。

 八つ当たり気味にこんなことを考えながら石段をのぼり、異様に頭の大きな西郷さんの像にあいさつする余裕もなく、木陰を選んでダラダラと歩いて目的地である国立西洋美術館にようようたどり着いた。

 目的は館内に入ることではなく、前庭にあるロダン作「カレーの市民」を撮ること。どうせなら世界遺産に登録されたルコルビュジエ設計の建物を背景にしようとあれこれ工夫するものの、光が強すぎてどうしても建物は白く飛んでしまう。建物に露出を合わせれば、ロダンの作品は真っ黒になってディテールが完全につぶれる。頭から流れ出た汗が熱いアスファルトにしたたり落ちて黒いしみをつける。ついにその構図はあきらめて樹木を背景にした。

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