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【本ナビ+1】文芸評論家・富岡幸一郎 『キリスト教と近代の迷宮』大澤真幸、稲垣久和著 「近代」とは何かに迫る 

『キリスト教と近代の迷宮』大澤真幸、稲垣久和著
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 さまざまな意味で異色の対談本である。まず『〈世界史〉の哲学』なるこれまでの日本人が構想したこともない著作を書き続ける社会学者の鬼才・大澤氏と、物理学出身のキリスト教神学者・稲垣氏という組み合わせである。

 そして本書の中心テーマはキリスト教であるということ。そもそも明治以降に西洋文明を受け入れ、戦後はアメリカ文化一辺倒なのに、日本人はキリスト教の基本的な知識を著しく欠いている。

 知識人と呼ばれる人も例外ではなく、とくに保守派を自称する人の中には「キリスト教などの一神教は不寛容で戦争ばかりしているが多神教は寛容でよろしい」などと頓珍漢(とんちんかん)なことを言う。しかしアブラハム宗教としての「一神教」こそが世界史を形成してきたのであれば、キリスト教の「キ」の字くらいは勉強すべきだろう。

 トランプ大統領の問題から始まる対話では、プロテスタンティズム(昨年はルターの宗教改革から500年)とは何かが、現代世界との関連から明らかにされる。無神論者という社会学者が、外側から見る(語る)キリスト教と、神学者が内側からとらえる視点のずれからキリスト教の本質が浮かびあがり興味深い。

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