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【魂の交流 ジャポニスム2018】(上)「日本らしさ」その先の普遍性

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 「ジャポニスム」とは19世紀後半に幕府の開国によって日本美術が欧米に紹介される中で広がった日本への強い関心を指すとされる。フランスでは、葛飾北斎らの浮世絵の豊かな色づかいや平面性を強調する表現が印象派絵画に影響を与えた。人間中心ではなく魚や虫や鳥も主役に据える日本の工芸装飾はガラス工芸家、エミール・ガレらのデザインに流れ込んた。高階秀爾(たかしな・しゅうじ)・大原美術館長は「表面的な異国趣味を超えた『考え方』として影響は舞台や音楽、ファッションにも及んだ」と話す。今回の「深みへ」展は、19世紀のフランス人が衝撃をもって「ジャポニスム」と称した美学を、今度は日本側から提示する試みといえる。

 展示作の一つ、高松宮殿下記念世界文化賞受賞者の現代美術家、杉本博司さん(70)が水平線を中央にしたシンプルな構図で撮り続けた「海景」シリーズは、禅に通じる「引き算の美学」で太古の自然の豊かさを引き出す。世界規模のサイバー攻撃状況を大画面で可視化したのはメディアアーティスト、真鍋大度(だいと)+2bitの「invisible war(インビジブル・ウォー)」。「見えない戦争」と題し、日本と切り離せない災害への向き合い方も考えさせる。人間とAI(人工知能)との共生の可能性を探るビデオ作品も上映されていた。

 キュレーション(展示企画)を担った長谷川祐子・東京芸術大教授は、自然や動物はもちろんロボットのような機械にも分け隔てなく霊性を見いだす、日本の「アニミズム的な非人間中心主義」に着目する。

 「自然災害の緊張感の中で日本人の美学は研ぎ澄まされてきた。今、人間中心主義で世界がどんどん破壊されていることへの警鐘としても、それをアートの形で見せたい」

                 ■ □ ■

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