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【魂の交流 ジャポニスム2018】(上)「日本らしさ」その先の普遍性

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【魂の交流 ジャポニスム2018】
(上)「日本らしさ」その先の普遍性

「深みへ」展に展示された名和晃平さんの「FOAM」 =パリ8区のロスチャイルド館(海老沢類撮影) 「深みへ」展に展示された名和晃平さんの「FOAM」 =パリ8区のロスチャイルド館(海老沢類撮影)

 日仏友好160周年を記念した日本文化の紹介イベント「ジャポニスム2018」がフランスのパリ市内を中心に開かれている。日本のどんな美意識や感性が示され、現地の人々とどう共振するのか。開幕前後のパリを訪ね、考えた。(海老沢類)

                   

 夏の日差しが照りつける7月中旬のパリ。街中を歩いていて、ふいに「FUKAMI 深み」と日本語が記された看板を目にした。

 市内のロスチャイルド館で14日に始まった「深みへ-日本の美意識を求めて-」展(~8月18日)のポスターだ。展覧会は25組の作家による約100点を並べ、縄文から現代へ連なる日本的感性をあぶり出す。「ジャポニスム2018」の核となる公式企画だ。

 会場に入り、地下へ進む。約500平方メートルの空間は青い光が照らす巨大な泡で満たされ、別世界に入った感覚にとらわれる。

 「この泡は常に生まれては消えていく、はかない存在。『うたかた』というか、無常観と美しさが共存している」。「FOAM(フォーム)」と名付けたこの作品を手がけた現代美術家、名和晃平さん(42)は語る。

 素材は立ち上がりのいい泡だけ。空気圧の調整によって泡の生成と消滅のバランスを保つが、周囲の微妙な湿度の違いでも形は変わる。その姿を、海外の文化を自由に摂取し新陳代謝を繰り返してきた日本人の精神と重ねても面白い。でも生命の根源に目を向けさせる普遍性もある。

 名和さんは「宇宙空間にある細胞が時々の環境に適応し多様化してきて、今のわれわれの存在がある。この泡に立ち会うことで、自分もその一部だと感じてもらえたら」と話す。

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