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【アート 美】木田金次郎展 有島武郎の死、大火乗り越え昇華

「海」油彩 1936(昭和11)年 佐藤正広氏蔵
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 木田金次郎といっても知る人は多くはないかもしれない。小説家と青年画家との交流や創作の苦悩などをつづった有島武郎(たけお)(1878~1923年)の小説『生れ出づる悩み』のモデルとされた画家だ。同書の出版から100年を記念して、東京の府中市美術館で「木田金次郎展」が開催されている。

 展覧会場に「海」という印象的な作品がある。夕焼けの太陽は黄色く輝き、海面にも反射してギラギラとまぶしい。40代前半の作で、創作意欲がみなぎるようだ。

 西洋美術を紹介し、絵画に造詣が深かった有島から才能を見いだされた木田は、ほとんど独学で野性的ともいえる激しい絵を描いた。描いたのは、青年期の一時期を除きほぼ生涯を過ごした北海道西部にある故郷・岩内(いわない)町だ。

 木田は10代半ばで絵を描き始めたが、漁業を営む実家の傾きかけた生活を支えるために漁師に。20代半ばで本格的に油彩画を始め、東京で活動したいという思いを交流のあった有島に手紙で伝えた。しかし有島は、「既に立派な特色を備えた画は余計な感化を受けないで純粋に発達させた方が遥(はる)かに利益だと思います」と、岩内での活動を勧めた。

 大正12年、有島が愛人と心中自殺。木田は画業に専念することを決意し、制作を重ねた。モチーフとなったのは漁村など身近な風景だった。

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