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【話の肖像画】原子力規制委員会前委員長・田中俊一(3)現場に駆けつけたJCO臨界事故

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【話の肖像画】
原子力規制委員会前委員長・田中俊一(3)現場に駆けつけたJCO臨界事故

東海村臨界事故で沈殿槽周りの冷却水を抜き取る準備を行うJCO職員ら=平成11年10月1日、茨城県東海村(科学技術庁提供) 東海村臨界事故で沈殿槽周りの冷却水を抜き取る準備を行うJCO職員ら=平成11年10月1日、茨城県東海村(科学技術庁提供)

 本部で議論していても意味がない。何日かすれば蒸発してなくなるかもしれないが、そんな状況ではなかった。福島県飯舘(いいたて)村での除染と同じで、何か問題が起きたら、問題を解決するために挑戦することです。これは私の哲学ですね。

 〈さかのぼって昭和38年、東北大に入学。工学部原子核工学科を42年に卒業した〉

 子供の頃から理科や数学が好きでした。工学部に進んだのは、就職が圧倒的にいいから。うちは貧乏だから長く大学にいられないし、出たらすぐ就職しないといけない時代だった。工学部なら物理的なこともできるし、エネルギー問題も影響があったかもしれません。

 〈大学進学した38年は、エネルギー問題で特筆すべき年だった。水力発電のために建設された黒部ダム(富山県)が完成。九州の三井三池炭鉱では、458人が死亡した炭塵(たんじん)爆発事故が起きた〉

 先の戦争だって石炭がない、石油がないといって戦線を拡大していった面があるし、敗戦後の復興では電気が足りないと言って黒部ダムを建設し、そこで多くの人が亡くなっている。炭鉱でも落盤や爆発事故の歴史があり、大変な数の人命を使ってエネルギーを確保し、戦後の復興を進めてきた。エネルギー問題は、国の存続に影響する課題なんです。国が独立して、生き抜くのは大変なことなんですよ。

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