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【児童書】『ほんのにわ』みやざきひろかず文・絵 不思議な庭のやさしい世界

「ほんのにわ」
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 強い日差しに緑がまぶしい季節。目に飛び込んでくる夏の庭は、手を入れた人の意図をはみ出す勢いで、生命力を誇示している。植物のエネルギーに寄り添い、四季のめぐりを描き出す庭師は、なんてすてきな仕事だろう。

 主人公は庭師のおじさん。何年か先の姿も考えながら、木や花や石で一枚の絵を描くように庭を造っている。やはり庭師だったお父さんには、まだまだ追いつけないような気持ちでいるが、あるとき古い本の中に、見たことがない草花ばかりの不思議な庭を見つけた。その「ほんのにわ」で撮った父の写真も出てきて、心から離れなくなってしまう。

 シャワーのように水を降らせる木など、自由な想像力が作り出した庭のイメージが楽しい。絵描きのサインのように、父が植えた花も「ほんのにわ」にひっそり残っている。だいじなものは、こんなふうにだれかに見つけられるのを待っているのかもしれない。水彩の繊細なにじみが、やさしい世界へと誘ってくれる。(偕成社・1400円+税)

 永井優子

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