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【聞きたい。】米アカデミー賞メーキャップ賞の辻一弘さん『顔に魅せられた人生』 「心の中の声しっかり聞いて」

リンカーンのポートレート彫像を制作する辻一弘さん
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 今年3月、第90回米アカデミー賞で日本人で初めてメーキャップ&ヘアスタイリング賞を受賞してから約4カ月。初の自伝を上梓(じょうし)した。懇意にしている米国在住のフリーのテレビディレクター、福原顕志さんによるインタビューをもとに、まとめたものという。

 高校時代から独学で特殊メークの技術を磨き、映画界の重鎮、黒澤明監督や伊丹十三監督らの作品に携わった下積み期を経て、単身ハリウッドへ。オスカー像を手にし、特殊メーク界の頂点に立った。さぞ自信と野心にあふれた人かと思いきや、ずっと自分に自信を持てず、コンプレックスを抱えていたと明かす。

 「自分と同じような境遇の人、あるいは、目指すことのある人にとって励みになればと思い、(本の出版を)決めました」

 幼少期、親族には何かとけなされることが多く「母親に本当に褒められたことはなかった気がする」と回想する。よく大人の顔色をうかがっていたことが、人間の「顔」への執着につながったのかも、という。

 高校時代、SF&ホラー雑誌に掲載された1枚の写真がきっかけで特殊メークに興味を持ち、米国の第一人者、ディック・スミスにいきなり手紙を書いた。こうと決めて夢に向かう推進力の強さ、細部に妥協を許さない仕事ぶりが、その後の成功につながった。

 「自分の心の中にある声をしっかり聞くべきだ」。6年前、満足のいく仕事がしにくくなった映画界を一度離れ、現代美術の道に。リンカーンやウォーホルら自身が強く惹(ひ)かれる人物に迫り、その内面を刻印した「顔」の彫像作品で、高い評価を得るようになった。

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