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【話の肖像画】大原美術館館長・高階秀爾(5) 作品は文化遺産、意識高めてほしい

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【話の肖像画】
大原美術館館長・高階秀爾(5) 作品は文化遺産、意識高めてほしい

高階秀爾氏(三尾郁恵撮影) 高階秀爾氏(三尾郁恵撮影)

 つまり海上さんの仕事によって、井上の作品への評価は近年一段と高まったのです。パリで開催中の日仏友好160年記念イベント「ジャポニスム2018」でも、戦後の現代美術を代表する一人として公式企画展が開催されています。

 〈訪日外国人が増え続けているなか、美術館を訪れる外国人が、地域によってはあまり多くないという課題もある〉

 音声ガイドは充実してきましたが、まだ足りないようです。展示作品には解説文などに外国語の表記を付けるべきですね。最低でも英語、中国語、韓国語くらいはないと。それが日本美術の理解にも生かされるわけです。美術館の情報を、世界に向けて外国語で積極的に発信することも必要です。

 〈1部屋まるごと書庫にするほどの読書家で、特にミステリー小説が好き。多くの著書もあり、その中でも名著とされるのが「名画を見る眼」だ〉

 あの本では絵がどういう意味を持っているかを解説しました。それまでの美術本といえば、色彩や構図を論じていて難しかった。名画にはいろいろな意味があり、さまざまな見方があります。象徴的な意味や歴史的な背景などを加え絵解きをしたのです。

 絵解きは、ミステリー小説を読むのと似ています。残されたものを手がかりに、絵に秘められた謎を解いていくのです。面白いですよ。(聞き手 渋沢和彦)=次回は原子力規制委員会前委員長の田中俊一さん

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