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【主張】日米原子力協定 プルサーマル発電が要だ

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 日本の原子力エネルギー政策の根幹を支える日米原子力協定が30年間の期間を満了し、自動延長された。

 非核保有国の日本が例外的に原発の使用済み燃料を再処理してプルトニウムを取り出すことが容認されているのも、この協定があるからだ。

 エネルギー資源を欠く日本は、プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を使う「プルサーマル発電」を柱とする核燃料サイクルの確立を目指している。日本のエネルギー安全保障にとって極めて重要な協定である。

 だが、今回の自動延長を機に、発電用に日本が持つプルトニウムを減らすべきだという声が国内で起きている。プルトニウムは原爆の材料にもなる元素なので、47トンを持つ日本に対し、米国が懸念を示していると論じられている。

 政府は今月改定したエネルギー基本計画に「プルトニウム削減」の一文を入れた。プルサーマル発電の推進につながるのであれば、このこと自体は結構な方針だ。

 電力業界は16~18基の原発でのプルサーマルを計画してきたが、福島事故の影響で現在、実施できるのは4基にとどまる。

 そもそも一般の原発でも運転中にプルトニウムが生じて燃えている。プルサーマル発電にも技術上の問題はない。政府は人々の心配を取り除く説明に努め、拡大を図るべきだ。プルトニウムの消費増大に貢献する大間原発(青森県)の早期完成も望まれる。

 政府にはもう一つ注文がある。米国が日本のプルトニウムを気にしているというが、果たして現トランプ政権が重大視しているのだろうか。前政権の関係者の声に振り回されているのなら、忖度(そんたく)に等しい過剰反応といえないか。

 近年中の完成が見込まれる日本原燃の再処理工場(青森県)の稼働を制限し、プルトニウムの回収量を抑制しようという動きも聞こえてくるが、論外の対応だ。

 国際原子力機関(IAEA)は日本に厳格な査察をしている。また、成分が異なる発電用プルトニウムでの核武装があり得ないのは、世界の専門家の常識だ。

 日米原子力協定は、通告から半年で破棄できる仕組みに移行したが、直ちに不安定化したとはいえまい。日米安全保障条約も長く同様の制度の下にあるが、具体的支障がない現実に照らし合わせて考えるべきである。

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