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【話の肖像画】大原美術館館長・高階秀爾(2) フランスで日本美術に目覚める

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 〈1954(昭和29)年からフランス政府給費生として留学し5年間、近代美術史を学んだ〉

 最初は、留学生を受け入れるパリ国際大学都市日本館(パリ南端の第14区)に住んでいました。でも1年たって、新しい人が入ってくると古株になってしまうので下宿するのです。借りたのは未亡人宅の一部屋。台所でコーヒーをいれ、朝はパンを買って食べていました。街の中にもいくつか学生食堂があり、大学の食事券が使えました。安いから毎日食べていましたが、一応フランス料理だから夜ならスープ、メインディッシュに肉か魚、デザートまでありました。当時の日本からすると大変なことです。日本では食糧が十分でなかった時代に毎日、ビフテキを食べるようなものですから複雑な気持ちでした。

 日本への郷愁もあったのでしょうか。日本美術に目覚めたのはフランス留学中です。

 日本に帰る前年の1958(昭和33)年、日本の古美術展が欧州を巡回し、パリの美術館でも開催されました。雪舟の「秋冬山水図」と「天橋立図」、長谷川等伯(とうはく)の「松林図」、光琳の「風神雷神図」など非常にぜいたくな内容です。異国にいて、日本美術のすばらしさを実感し、それからは日本美術の研究も始めました。(聞き手 渋沢和彦)

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