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【海峡を越えて 「朝のくに」ものがたり】(27)「取り入れる」日本人 朝鮮語の唱歌までつくった

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 ところがこの“日朝折衷”唱歌の評判があまりよくない。当然だろう。なじみのない(日本の)山河や動植物、風習を織り込んだ歌が朝鮮の児童の心に響くはずがない。唱歌や童謡は、子供たちが、子守歌の次に触れる歌である。歌って楽しく、愛着を持ち、子供たちの情緒を育てるものでなくてはならない。

 そこで、朝鮮に渡った日本人教師や総督府の教育担当者は、「朝鮮の偉人や旧跡、自然、風俗を取り入れたオリジナルの唱歌をつくろう」と主張する。そして、その歌を朝鮮の子供たちに公募し、歌詞を書いてもらう。大正15年に朝鮮総統府が編纂(へんさん)・発行した「普通学校(小学校)補充唱歌集」(60曲)だ。

 公募によって採用された唱歌には、朝鮮民族誕生の神話の山である『白頭山』やハングルの制定に貢献した李朝時代の儒者を題材にした『成三問』、日本とつながりの深い新羅の王を歌った『昔脱解』などがある。前回、日本人が普及に貢献したと書いたハングルで表記された唱歌は低学年用に多い。「読みやすく」という配慮だろう。

 このほか、新羅王生誕の地である『鶏林』、中朝国境を流れる大河『鴨緑江』や天下の名勝『金剛山』…。きっと朝鮮の子供たちはこうした唱歌を歌いながら民族の偉人や歴史、自然を誇らしく感じたことであろう。こんな“お人よし”の統治者が日本の他にいるだろうか。

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