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【話の肖像画】映画監督ヤン・ヨンヒ(4) 北朝鮮体制下で我慢 家族は「お前はやりたいことやれ」

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【話の肖像画】
映画監督ヤン・ヨンヒ(4) 北朝鮮体制下で我慢 家族は「お前はやりたいことやれ」

ヤン・ヨンヒさん(斎藤良雄撮影) ヤン・ヨンヒさん(斎藤良雄撮影)

 逆にカメラがない場所では、人々は政治の話以外はとてもフランク。恋愛話とか「下ネタ」も問題ありません。政治から最も遠いところにあるからなんでしょうね。

 〈制作開始から約10年を経て平成17年、処女作「ディア・ピョンヤン」が韓国の釜山国際映画祭で上映されることが決まった。発表の前月、北朝鮮の兄たちを訪問した〉

 10年間、何度も同じ夢を見た。「頼むから映画発表をやめろ」。親族一同に懇願され、兄が包丁を手に追いかけてくるんです。うなされて目覚めるたび「それでも発表するのか」と自問自答しました。

 プライベートな家族の話でもあり、彼らに公表を拒まれれば目前に迫る上映も中止しなければいけない。迷惑をかけたくはないが、作品がどんな影響を与えるかは見通せません。兄たちに映画祭のことを伝える瞬間、初上映のときよりも緊張しました。

 でも、彼らは私が映画監督として韓国に行く、ということを心から喜んでくれました。私の家族は兄たちも朝鮮総連で活動する両親も、みんな北朝鮮の体制の中で言いたいことをかみ殺して生きてきた。兄に言われました。「俺らのために我慢することは、一切やめてくれ。家族の中でお前一人くらい、やりたいことをやれ」

 有名にならなければ。そう考えるようになりました。有名な監督であればこそ、下手に家族に手を出せなくなるはず。国際的に認知される監督になる。心に決めました。(聞き手 時吉達也)

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