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【NYアート散歩】〈1〉「士官と笑う娘」など門外不出のフェルメールをたずねて

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【NYアート散歩】
〈1〉「士官と笑う娘」など門外不出のフェルメールをたずねて

フリック・コレクションは新古典様式の個人邸宅を美術館に転用し、増築を重ねて今の姿になった。美しい中庭のみ、来館者も撮影できる(黒沢綾子撮影) フリック・コレクションは新古典様式の個人邸宅を美術館に転用し、増築を重ねて今の姿になった。美しい中庭のみ、来館者も撮影できる(黒沢綾子撮影)

門外不出の宝物

 特に楽しみだったのが、マンハッタンのアッパー・イーストサイドにある閑静な美術館、フリック・コレクション。鉄鋼業で成功した実業家でコレクター、ヘンリー・クレイ・フリック(1849~1919年)の邸宅を美術館として開放したもので、彼の収集品(絵画、彫刻、陶磁器、家具など)は遺志により門外不出という。つまり、ここに来ないと見られないフェルメール、なのだ。

 エントランスから階段脇の細長いホールに入ると、それらは唐突に現れた。「士官と笑う娘」(1657年頃)、「婦人と召使」(1666~67年)、「音楽の手を休める少女」(1658~59年頃)がシックな空間にさりげなく溶け込み、静かに並んでいる。大富豪の家に招かれて、コレクションを見せてもらっている気分になる。

 このうちフリックが最初に手に入れたフェルメールは「音楽の手を休める少女」で、1901年の購入。こちらに振り向く少女の、一瞬とまどったような表情が印象的だ。弦楽器のシターンが机上に置かれているのは恋愛の寓意かもしれないが、奥の男性と少女の関係性は謎めいている。

 一方、「士官と笑う娘」で描かれた男女は明らかにいい雰囲気。フェルメールの絵に喜怒哀楽の表情をはっきり表現したものは珍しい。楽しそうな娘さんの顔にこちらまで癒やされる。室内を柔らかく包む光も魅力的だ。

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