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【第30回世界文化賞】受賞者の素顔・絵画部門 ピエール・アレシンスキー氏

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【第30回世界文化賞】
受賞者の素顔・絵画部門 ピエール・アレシンスキー氏

自宅兼アトリエで取材に応じるピエール・アレシンスキー氏=フランス・パリ郊外のブージヴァル(桐原正道撮影) 自宅兼アトリエで取材に応じるピエール・アレシンスキー氏=フランス・パリ郊外のブージヴァル(桐原正道撮影)

 絵画、版画、書道、デザインと多岐にわたるスタイルで、自身の内面を大胆に表現することで知られるベルギーを代表する現代美術家。90歳になった今も、その創作意欲は衰えることを知らない。

 ベルギーのブリュッセルに生まれ、1944年から4年間、ブリュッセルのラ・カンブル国立美術学校でイラストや版画、本の装丁などを学ぶ。

 48年に結成された国際的な前衛美術集団「コブラ(CoBrA)」に翌年加入し、最年少メンバーとして活動した。この芸術集団は短命に終わったが、アレシンスキーは内面から湧き上がるプリミティブ(原初的)な創作衝動に沿った、迫力ある作品づくりを標榜(ひょうぼう)したこの集団の精神を受け継いだ。

 その後、パリに移住。江戸時代の禅僧で画家の仙(せん)●(=がんだれに圭)(がい)を師と仰ぎ、昭和初期の前衛書道家、森田子龍と交流を深めるなかで、書道の影響を受けた自由な描線と、米で学んだアクリル絵具の乾きやすいという特性を活かし、言葉にできない熱い思いをキャンバスにぶつけた。

 55年には来日し、滞在中に篠田桃紅=しのだ・とうこうこう、現在105歳=らとも交流し、「日本の書」という短編映画を撮影するほど、日本の書道に魅せられた。

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